こうなった経緯について1

私は地方都市在住の52歳。職業はフリーランスのエンジニア。現在は主にSQLやPythonという言語を使って、データ分析の基盤を構築する仕事を首都圏の企業から請け負っている。

住まいは、両親が建てた築40年近い2世帯住宅に、親の介護という名目で夫婦で居候している。そのため生活に困る訳では無いが、フリーランスという身分ではローンを組むことは難しく、不動産投資や持ち家とは縁のない生活を送っている。そんな私がなぜ宅建士を目指すことになったのか。

きっかけは「人生、楽に稼ぎたいなら不動産屋が一番! 」という一冊の本である。
https://www.amazon.co.jp/dp/B079XWB531/

行きつけの本屋の書棚が入れ替わり、コンピューター書の隣が「不動産読み物」になった。大半は「不動産投資」に関する本なのだが、なぜか「不動産屋」になることを勧める本。ちょっと興味が湧いて手に取って見たというのがきっかけだった。

さて、手にとっても実はそのときは買わなかった。ただ、その本の内容が頭から離れなかった。むしろ数日間のうちに、本の印象は強くなっていった。
その理由は、大学時代にアルバイトしていた居酒屋の常連客、Kさんと重なったからである。

Kさんは年の頃は60代前半、月に何度か来店されるご近所の常連さんだった。無口で、ちょっと気難しい印象だが、ファッションはスーツもカジュアルもおしゃれで、バッグや財布はヴィトン、時計はロレックス。ある時、バイトに行く途中で見かけた車は、ベンツであった。

「なんの仕事をしている人なんだろう」

その答えは、珍しくKさんが友人とやってきたに解けた。二人の会話が何気なく耳に入った。Kさんは地元の不動産業者で、大学近くで前年倒産した印刷会社の跡地の取引をまとめ、なんと一度の取引で2,000万近い手数料を手にしたそうだ。
年に1~2件、このような取引をまとめることで、悠々自適で生活を送っているのだという。

一冊の本から、30年以上前のKさんの記憶まで一気につながったのである。

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